こういう言い方をするのはよくはないとは思っていますが、しかし言わせていただきますと、乳がんや大腸がんの闘病後に亡くなる方が「まだいい」と思うのです。大切な人と別れるにしても、突然の交通事故となるよりも、がん闘病である程度の時間があった方が、気持ちの整理をつけていくことができますからね。
それに、がん闘病は亡くなるまでに長ければ数年にもわたる時間があるじゃないですか。交通事故や脳溢血といったような突然の死に至るような原因ではないものですから、がん患者の家族や友人としましても、いろいろとできることがあるわけです。
がん患者にしてもそうでしょうけれど、「この世でしておきたいこと」を行なったり、大切な人と話をしたりと、ある程度の時間が確保されているということは、幸運なことだとも思うのです。がん闘病することとなって、「ラッキー」だなんて思う人は一人もいないことでしょうけれど、しかし「死ぬまでに時間がある」という点においては、まだ恵まれていると思ってしまうところがあるのですよね。